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FGF-23測定試薬

はじめに

Fibroblast Growth factor (FGF)-23はFGFファミリーに属する分子量約32kDaのタンパク質で227アミノ酸残基から成ります。リン代謝を調節する新規のホルモン様分子として見出されました。
生体内ではN末端側の24残基がシグナルペプチドとして脱落した分泌タンパク質が活性体として存在することが知られています。また、179残基と180残基の間をプロテアーゼが切断し、この部位で切断された断片も生体内に存在します。ただし、活性は消失していると考えられています。

FGF-23の異常が関係する疾患としては、低リン血症性くる病・骨軟化症の研究が進んでいます。
とくに腫瘍性骨軟化症(Tumor-induced osteomalacia; TIO)では責任腫瘍がFGF-23を過剰に産生すること、常染色体優性低リン血症性くる病・骨軟化症(Autosomal dominant hypophosphatem ic rickets/osteomalacia; ADHR)では、上述のプロテアーゼ切断耐性を持つ変異FGF-23タンパク質が産生されることが解明されています。また、X染色体優性低リン血症性くる病(X-linked hypophoshatemic rickets; XLH)でも血中FGF-23濃度が上昇していることが近年解明され、これら3種の疾患はいずれもFGF-23の過剰作用により惹き起こされていると考えられるようになりました。
また、腎不全においても血中のFGF-23濃度の上昇が確認されてきており、新たな疾患領域でのFGF-23の関与についても注目されつつあります。

この度弊社では、モノクローナル抗体を利用したFGF-23測定用研究試薬を開発しました。

特徴

検体

反応原理

抗ヒトFGF-23抗体を感作した抗体固相プレートに試料中のFGF-23を結合させ、さらにPOD標識抗ヒトFGF-23抗体を反応させる。このPODによる発色液の吸光度変化量から、試料中のFGF-23濃度を求める。

試薬構成

No試薬名包装
1抗体固相プレート96穴
2酵素標識抗体液12mL
3標準液1 0pg/mL12mL
4標準液2 10pg/mL0.5mL
5標準液3 50pg/mL0.5mL
6標準液4 100pg/mL0.5mL
7標準液5 250pg/mL0.5mL
8標準液6 500pg/mL0.5mL
9標準液7 800pg/mL0.5mL
10希釈液12mL
11発色液12mL
12反応停止液(MP試薬と共通)12mL
13洗浄原液53mL
14プレートシール3枚

操作方法

Q&A

1) 検体の保存条件
検体はなるべく新鮮な血清を使用してください。やむを得ない場合は、-70℃以下に凍結して保存し、凍結融解の繰り返しは避けてください。 尚,検体の安定性については、冷蔵保存13日間で85.5%まで低下することを確認しています。-80℃であれば、約3年間安定ですが,-20℃における安定性については保証しかねます。
また,凍結融解については6回までは影響がないことを確認していますが,凍結融解の繰り返しを避けるためにも、検体を小分けして保存することをお勧めします。

2) 血清及び血漿とも検体として使用できますか
血清及び血漿とも測定可能ですが、血清を用いることを推奨しています

3) 動物検体の測定に使用できますか
マウス、ラット、及びサルの血中FGF-23も測定することができます。

4) 水銀系の防腐剤等が含まれていますか
チメロサール等の水銀系防腐剤は使用しておりません。 本製品中の標準溶液、希釈液、酵素標識抗体液及び洗浄原液はケーソンCGを防腐剤として含有しております。

5) 操作上の注意点
検量線は測定毎に作成してください。 多検体を測定する場合は、各反応時間を定められた時間に統一するよう注意してください。 一次反応はプレートシールをして攪拌しながら反応させるよう注意してください。 洗浄操作時には、以下の点に注意してください。
・洗浄液を入れたまま放置しない。
・ウェル内の洗浄水を十分切った後、すぐに次の操作に移ること。

基礎データ

検量線

希釈直線性

同時再現性

日差再現性

検体の安定性

検体を冷蔵で13日間保存し検体の安定性を確認したところ、3日目まではほぼ安定であったが、6日目以降は経時的に換算値が低下した。
また検体の凍結融解を繰り返し、凍結融解の影響を確認したところ、6回までは影響を認めなかった。

製品のご注文方法について

FGF-23のご注文は、弊社代理店にて受注させていただいております。

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